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2009年7月 アーカイブ

2009年7月 2日

フライヤー&ポスター完成!

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EXHIBITION C-DEPOT2009のフライヤーとポスターが完成しました!
ちょっとした事情で出来上がりが2週間ほど延びてしまったのですが、無事に一昨日納品されました. 今回はC-DEPOTでは初めてA4サイズのフライヤーです. これは展示が計5会場もあり、これまでのようなサイズでは内容が納まりきらなかったことによるものです.


また、今回はそれぞれの会場の情報をどうやってすみ分けして記載するか?、複数出展する人や、会場によって名義が微妙にかわる人がいるのをどう扱うか?....情報のまとめ方を作る前に随分と考えました. C-DEPOTのフライヤーはこれまで、出展者全員のプロフィールや作品写真を掲載しています. これはC-DEPOTを始めた時に、まだメンバーが無名に等しいということもあり、来場者を増やすためには展覧会の情報だけではなく作家個人個人の顔が見えるようにしようという思惑からきています.
そのときと今とは事情も変わってきていて、展覧会も規模は大きくなり出展者の数も随分と多くなりました. 今回は遂にボリュームもA4で6ページ分です!


よくこのようなイベントなどのデザインをしていると陥りやすいのが、自分たちは中の人間なのである程度情報は把握しているせいでその提示の仕方が不親切になりそうになることです. それをいかに初めて見る全く事情の知らない人に伝えられるかを忘れないように心がけたつもりです.
今回は複数会場があってそれぞれが離れているだけに、このフライヤーを片手に歩き回る来場者を見ることができたらいいなと願っています.

2009年7月 3日

配布アイテム完成

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展覧会フライヤーとほぼ同時期に、会場で配布するオリジナルポリバッグが完成しました。
来場してくれたお客様に配って、これを手に提げ街を練り歩くことで、C-DEPOT2009のシンボルマークがより多くの人の目にふれることができます。
展覧会中にスパイラルで入手できます。

2009年7月 5日

みんなでフライヤーの配布作業

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C-DEPOTは、アーティストが自ら運営している活動ですので、色々な裏方の作業もこなします。
今日はメンバー20名近くが集まり、フライヤーを各関係機関への配布するための作業を行いました。
これだけ人数が集まると早い早い。でもやることは沢山あります。
作業終了後はコアメンバーで、会期中のイベントの打ち合わせを行いました。
制作と普段の仕事に追われて忙しい中来てくれたメンバーに感謝ですね。

2009年7月 8日

会場のサイン計画の打ち合わせ

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メンバーには、様々なジャンルのスペシャリストが集まっているので、色々な面で心強いのです。今日は、各会場に貼るカッティングシート(文字のシール)について、ディレクション担当のebc堤氏と看板制作のプロ山本氏と打ち合わせを行いました。カラー見本を見せてもらい色々な特性を詳しく説明してもらいました。何気に奥が深いです。
今回のC-DEPOTは複数会場あり、各会場をつなぐためのディレクションをebcが担当しています。なかなか魅力的なプランを考えてくれました。こういったことは美術畑の人は大体苦手なので、デザイナーがメンバーにいると非常に頼りになります。

その後、某物件へ。C-DEPOTの次の展開のための打ち合わせを行いました。
こちらの件は近々ご報告できると思います。

2009年7月17日

C-DEPOT red 搬入

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今日は、サテライト展示のC-DEPOT redの搬入でした。
「赤」をテーマにそれぞれのアーティストが作品を制作しました。

なんだかとても素敵な展覧会になりました!

2009年7月21日

メッセージ、monochrome搬入

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C-DEPOT 2009@スパイラル
そしてC-DEPOT monochrome、シブヤ西武の3会場の搬入です。

早朝6:45に集合し、夜までセッティングを行いました。
たくさんの作品が並び、かなり充実した内容となっています。
今年はスゴいかも。

2009年7月22日

EXHIBITION C-DEPOT 2009 スタートしました。

EXHIBITION C-DEPOT 2009 がスタートしました!

初日はオープニングレセプションが開催され、盛況のうちに幕を閉じました。
お越しいただきました皆様、そして協力してくれたメンバーのみなさん、
本当にありがとうございました!

レセプションの様子は、後日アップしたいと思います。
サテライト含め全6会場、大変充実した内容となっております。
本会期であるスパイラルは7/26(日)までですので、ぜひともお見逃しなく!


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EXHIBITION C-DEPOT 2009 メッセージ
7/22(水)〜26日(日)
スパイラルガーデン


[サテライト 01]
かまわぬ×C-DEPOT コラボレーション
7/22(水)〜8/8(土)
ショウケース(スパイラル1F)

[サテライト 02]
C-DEPOT monochrome
7/22(水)〜8/2(日)
新生堂

[サテライト03]
C-DEPOT red
7/22日(水)~8/19(水)
ギャラリー・ショアウッド

[サテライト04]
堤岳彦展
7/22(水)〜8/20(木)
シブヤ西武 B館8階

[サテライト05]
丸山祐介展
7/22(水)〜8/20(木)
シブヤ西武 B館8階


(参加アーティスト)
青木伸介 青山健一 安立喬 ebc 石井敢歩 井上菜恵子
井上禎幸 岩永昌子 金丸悠児 河村浩明 久世祥三
小松宏誠 坂本茉里子 桜井美奈子 佐野絢子 島名毅
下田冬子 白木麻子 末宗美香子 杉山治 鈴木太朗
田部井勝 堤岳彦 鶴田学 名古屋剛志 鍋島久和
野口都 vataru 早川貴泰 日根野裕美 平原真
深澤健作 藤田芽衣 真壁友 松枝悠希 松本祐一
丸山祐介 門田奈々 安岡亜蘭 山本理子
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2009年7月24日

EXHIBITION C-DEPOT 2009 メッセージ会場風景

現在開催中のスパイラルの展示風景をご紹介します。

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続きまして

各アーティストの作品について紹介したいと思います。
作品の理解を深めてもらい、ぜひ実物を観に会場にお越し下さい!
会期は今週7/26(日)までです。

青山健一「Beyond the sky II」

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[技法/材料]
ミクストメディア

[作者コメント]
いつの日か、僕等はここから飛びたつ

[解説]
普段身近な自然物をモチーフに日本画でタブローを制作する青山氏。
今回は新しいテーマで架空の街を描いています。
優しい雰囲気で、アトリウムの開放的な空間にマッチしています。

安立喬「MESSAGE」

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[技法/材料]
革/木材

[作者コメント]
メッセージをイメージして製作しました。
A4/A5封筒(メッセージを入れるもの)、
ペン立て(メッセージを書くためのものを入れるもの)、
ゴミ箱(メッセージを捨てるもの)
上記にあわせて什器も製作。

[解説]
色々な素材をもちいて、シュールでつかみ所のない世界を展開する安立氏は、今回革を用いてステーショナリーを制作しました。色が同系で統一されており、不思議な静寂を醸し出しています。

石井勘歩「ある一つの香水」

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[技法/材料]
アクリル(蒸着)、鉄(錆仕上げ)

[作者コメント]
安定した収入、安定した生活、安定した人生。ヒトはより安定を求めて生きている。しかし、時に
安定は退屈でつまらないものである。故にヒトはフワフワ、ユラユラと不安定なモノに魅かれる。
いや、そもそも不安定こそが常であり、安定は非不安定なのかも知れない。

[解説]
プロダクトデザイナーの石井氏は、毎回「作品」「台」「照明」の三つの要素をこだわり抜いて作品を発表してきました。今回は香水を入れる容器のデザインを通じて、人の本質を映し出し、それをアーティストとしてのメッセージとしています。錆び付いた台には、作者の言葉が刻まれています。

井上菜恵子「時は流れる」

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[技法/材料]
有線七宝・銅・真鍮・金

[作者コメント]
地球には海や大地や動物など綺麗で愛おしいものがあり、
それぞれに強い絆を感じます。
同じ時間の流れに乗りながら、様々な変化を乗り越えても
この絆は変わらない、変わってほしくないと思います。

[解説]
金属などの素材を、伝統技法を用いて表現する井上氏。小さな作品ですが、良くみるとその美しい造形と色彩に目を奪われます。有線七宝(金属の素地の上に、細いテープ状の金属線を下図の輪郭に沿って貼り付けていき(植線)、できた区切りの中に釉薬をのせて焼成する技法)という気の遠くなるような精密な仕事からは、物質的な要素を超えて、伝統と作者の美意識が伝わってきます。

井上禎幸「Decarco Animal 20」

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(↑2008年度の参加型作品の様子)

[技法/材料]
アニメーション

[作者コメント]
偶然から生まれた形で,様々な動物をイメージしました。
あなたならこれらの不思議な模様から、どのような動物を連想しますか?

[解説]
C-DEPOT 2008@横浜赤レンガ倉庫において、エントランススペースで行われたebcによる来場者参加型「デカルコアニマル」。そこで誕生した作品群を再利用し、アニメーション作品に仕立て上げました。動物のような色彩がコミカルに動き回ります。

岩永昌子「BigHip」

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↑リアル…

[技法/材料]
ソファ

[作者コメント]
座った人のおしりが大きくみえる椅子。
笑顔になれる家具があってもいいでしょう?

[解説]
福岡で活動するクリエイターの岩永氏。今回は彼女の代表作でもあるソファの作品。座って後ろからみると、まさに「大きなお尻」のようで、とても微笑ましい気持ちになれる家具です。当事者同士だけでなく客観的に見ている第三者までも巻き込んでしまうのが、この作品のスゴいところです。しかもこの大きさが妙にリアルで。。

金丸悠児「Tide of Mind」

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[技法/材料]
ミクストメディア

[作者コメント]
まるで、遠い時代から掘り起こされた石盤のようなカタチたち。
記憶の断片を紡ぎ合わせることが、私にとってのメッセージになっています。

[解説]
脈絡も無く、ランダムな風景、動物、植物、道具、模様、人、などが描かれています。
ハガキサイズの絵が、100号の画面の中に、72枚並んでいます。支持体は見る人によって、金属に見えたり、石や木に見えたりするようですが、実は紙パレットの台紙(厚紙)を利用しています。

小松宏誠「secret garden」

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[技法/材料]
漂白された羽、LED、ファン、ルーバー、自作制御回路

[作者コメント]
鳥は自由に空を飛べるから、色々な風景に出会っているだろう。
そして、ある者は自宅に花を何個も何個も集め飾り、ある者は求愛のために体を変化させた。旅をする事をやめない者も いるだろう。
僕は漂白された鳥の羽を寄せ集め庭をつくった。

[解説]
羽根のオブジェが浮いている!見る者を引き寄せ、幸せな気持ちにさせてくれる作品です。その様子はまるで恋人同士が愛を語り合っているようです。やわらかく明暗する光が何とも神秘的な雰囲気を演出しています。

桜井美奈子「ニッポン パズル Piece 0」

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[技法/材料]
キャンバス 和紙 アクリル絵具 油絵具

[作者コメント]
ほとんどの日本人が知り、幼少時代に経験した組体操は規則性のある尊く美しい表現だと思います。
私はこれを物質的・断片的な一場面として表現しました。
組体操は幼い頃に植え付けられた日本人の美意識ではないでしょうか。

[解説]
しっかりしたデッサン力によって描かれるペインティングです。新しい感性を持って描かれているにも関わらず、どこかノスタルジックな一場面を切り抜いた作品となっています。
多くの日本人が共有している景色、しかもそれが遠い歴史的な過去ではなく、自分の少年期という比較的近い過去を投影している点が、作者のセンスなのでしょう。

佐野絢子「twinkle pieces」

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[技法/材料]
素材/漆・麻布・和紙・真鍮・銀・真珠
技法/乾漆

[作者コメント]
最近身近にある植物に興味があります。
線路端にある金網にからむツタ・近所の空き地に無造作に伸びる雑草
車通りの多い道路沿いに植えられた街路樹・駅前の花壇にある植木
命のきらめきを感じる瞬間を形にしました。

[解説]
自然界に存在する美しい造形と色彩を切り抜き、身につけるブローチとして作品を作っています。ブローチは、伝統技法である漆(乾漆)によって作られ、丹念に時間を積み重ねて制作されることにより、絶妙な緊張感が生まれています。

+S(島名毅+酒見智大)「Wizard Type-T 〜家具の反抗〜」

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[作者コメント]
4本足で立つことに飽きた机の反抗をテーマに島名がデザインアイデアを立案し、それを実現させるための方法論と技術を酒見が担当した。
ワイヤーで張ることによって成立する新しい家具の提案。

[解説]
一見普通の机なのですが、この机、天板と足が、線でのみ接しています。そしてワイヤーのテンションによって、安定を保っています。なんともユニークな発想と構造なのでしょう。
そのテンションによって生まれる緊張感が、この作品を美しくさせているように思えます。

下田冬子「Messages in Blue」

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[作者コメント]
小さい頃は空を見て、色々なお話を想像しました。青空も好きでしたが、夜空も好きでした。
Messages in Blueは、満月の夜空に浮かぶいつか見た景色と、遠い昔の物語です。

[解説]
イラストレーターであり絵本作家の下田氏の作品。青のモノトーンの世界からは、懐かしさ、さみしさ、楽しさ、優しさ、切なさ、など色々な感情が入り交じっているようです。絵には言葉が添えてあり、それがさらにこの世界観を深めています。ふと、この優しい世界に誘われてしまいそうになります。

白木麻子「軌の景色」「刻々」「在ル III」

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[技法/材料]
ソフトメープル、タモ/欅/タモ、欅

[作者コメント]
点の連なりが線をなす。線は稜線となり輪郭をつくる。ものが現れる推移。
手元にある素材を通して今という点を打ちつづけることは、
過去を知り、今を知り、これからを探るための手がかりとなる。
素材から発信されるメッセージ。

[解説]
ダイナミックな木彫です。抽象的なかたちなのですが、どこか日常生活にリンクしているような気がして、身近な感覚を呼び起こします。会場では圧倒的な存在感を誇り、展覧会の要となっている作品の一つです。

末宗美香子「Message」

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[作者コメント]
そうです あなたの靴の下 そこから約30度の角度で切り込んだ
その先の点から届いた メッセージ 
さくさくとした甘いお菓子のよう 舌に残るそれは悦びに姿を変えた痛みか まるで

[解説]
独自の感性によって描かれるおしゃれで不思議な世界。そのファッショナブルな色彩とセンスに定評のある末宗氏は、本展においても新しい表現に挑戦しています。

杉山治「Emocion」

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[技法/材料]
アクリル

[作者コメント]
感情は人と人を繋げてくれるものであり、自分と自分を繋ぎ止めておくものでもある。

[解説]
とにかくかわいいキャラクターを描き続ける杉山氏は、数年ぶりに絵具によって作品を制作。
鮮やかでポップな色彩は見る人を元気に明るい気持ちにさせてくれます。

鈴木太朗「伝・音」

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[作者コメント]
あなたから会場に、人々に、音が波紋のように伝わります。
「伝・音」は、空間への、気持ちの良い音の広がりを楽しむ作品です。

[解説]
自然現象を材料としこれまで作品を制作してきた鈴木氏が、今回選んだ素材は「音」です。
真夏の会場に涼しげに光り、コミカル?に振動する鈴の音が、来場者を癒します。

田部井勝「眺望 35。39'48.90"N 139。42'42.31"E」

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[技法/材料]
パーム油、スチール、アルミ、自作デバイス、PC、GPSロガー

[作者コメント]
いくつかのメッセージがあるように思います。
自分の行動、存在そのものを提示する軌跡
意外と憶えていない、目的地までの道中
知っている場所を消すことによる、全く知らない街の立ち現れ
それらの状況を、ただ眺めてみる

[解説]
人が青山界隈を歩いた足跡をライトが移動し、街を溶かしています。
東京の真ん中の街も実は、限られた地域しか人の目に触れていないことに気付きます。

鶴田学「ある朝、ピアノの音を聞いた」「夜の言葉」「雨上がりの午後」「水色の足音」「昼下がりの散歩」

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[技法/材料]
陶土、楠、顔料   850度焼成

[作者コメント]
『時』の中にある「記憶」・「懐かしさ」に、個人的でもあるようで、他人とも共有できるカタチがあるのではないだろうか。
懐かしくて、温かくて、切なくて、愛しくて、静かで…
そんな『ある時間とある場所の空気感=風景』というカタチのメッセージを込めて制作しました。

[解説]
特筆すべき点は、焼き物であること。そこからさらに着色しています。
そして確かなデッサン力によって造形され、人物と架空の風景を融合させたユニークな作品です。
作者のモチーフに対する包み込むような愛情が伝わってきますね。

名古屋剛志「時ヲ泳グ」

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[技法/材料]
岩絵具

[作者コメント]
流れゆく時の中で、そして多くの人々が行き交う中で、誰かとの出会いは生まれる。必然とも偶然とも呼べるような、その出会いの貴重さは歓喜すべきことではないだろうか。また、この会場にある作品との出会いもその一つなのかもしれない。

[解説]
金箔地に規則的に配置され構成された金魚とローマ数字。
見事に和モダンの世界を気付き上げた、品格のある作品に仕上がっています。

鍋島久和「code by dot」

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[作者コメント]
何かを伝えるには、暗号などのように少々の制限や不便なことがあった方が
コミュニケーションとして楽しむ事が出来るのでは。

[解説]
ビー玉を移動させると、ビー玉に映り込んだ映像が位置によって変わる参加型作品。
ゲーム感覚で向かい合った人と遊べる、新感覚のコミュニケーションツールとなっています。これは楽しい。

野口都「neo」

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[技法/材料]
絹生地/友禅染

[作者コメント]
現在は過去の継続ではなくなってしまい、
未来は現在の延長ではなくなってしまったりする。
たくさんの抜け殻を捨去った揺るぎない私の中にそういう変化も存在する。

[解説]
伝統的な染めの技法によって描かれた作品です。
野口氏のもつ独特の世界観を表現しつつ、夏にぴったりの涼やかな色彩になっています。

vataru「トリロヴァイティス」

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[技法/材料]
レザー

[作者コメント]
架空の生物の一生をバッグにしました。
卵→幼虫→サナギ→脱皮→成虫→鎧→屍
7つのバッグに自分を照らし合わせることで残された時間を把握する作品です。

[解説]
革を用いておもしろバッグを制作することをライフワークとしているvataru氏。
革ってここまで多彩な表現が可能なんだ!と思わせてくれる作品です。そして少年心をくすぐるモチーフに胸をわしづかみにされた人も多いのでは?

早川貴泰「bless」(音楽:松本祐一)

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[技法/材料]
高解像度アニメーション:1920x1080pixel 3分30秒

[作者コメント]
大切な友人の結婚式のお祝いのために創りました。テーマは「愛」です。
1コマ1コマ二人の幸せを祈りながら紡ぎました。音楽は、C-CEPOT出品者の一人、松本祐一氏です。

[解説]
高解像度で制作するアニメーションで、いくつものコンペティションを征してきた早川氏が、知人のために制作した作品とのことです。松本氏の作る音楽をヘッドホンで聴きながら鑑賞することで、美意識あふれる早川ワールドに誘われます。

日根野裕美「伝言ゲーム」

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[技法/材料]
ケントボード、ボールペン

[作者コメント]
大切なことを聞いたから 次の貴方にお知らせします

[解説]
C-DEPOTが誇る天才少女の日根野氏。この絵、細い線で描いているのですが、驚くことにほとんど下書きしていません!絵にはどこか毒があり、超精細さに思わず顔を画面に近づけてしまいます。

平原真「アシティス」

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[作者コメント]
遺伝情報は生命が未来に伝えるメッセージ。
それにどんな意味があるのか、誰も知らない。

ただ、あるがままに。

[解説]
植物の「誕生、生長、死」のサイクルが、永遠と営まれてます。その無限のサイクルを目の当たりにすると、生命の神秘を感じずにはいられません。

深澤健作「周辺から踊る律動の形 “思考無し/実体”」「周辺から踊る律動の形 “韻律の景色op.1”」「周辺から踊る律動の形 “Symbol”」

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[技法/材料]
カンバスに油彩

[作者コメント]
「バブル景気」という言葉は1987年に命名されているが、昭和 53年生まれの私にとって、
この頃の像が最も自我に強く影響している。軽薄で鮮やかな造花や装飾素材に囲まれた環境・
プラスチック製の玩具。私にとっては混沌としたノイズであったが、それでいて、社会と生活
環境にある様々な人工的装飾物は、不安や脅迫感から逃れる為に存在しているようにも感じてもいる。  
両親が観光地で自営業をしていたのがきっかけで、このような環境から、美術への関わりへと続いて来た。
華やかさと虚無の境界・装飾とノイズの関係性が、私にとって大きく引っかかっているのである。

[解説]
平面作品と立体作品によるインスタレーション。
油彩で描かれる作品は、作者の内面を表現しているそうです。確かなバランス感覚や色彩感覚によって、それが単なる独り言ではなく、質の高いコンポジションを創り出しています。

真壁友「hysteresis clock - prototype」

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[技法/材料]
モータ、ヒータ、電子回路、合板

[作者コメント]
hysteresis = 履歴、記憶
私たちは時間の流れの中で生きています。
時、分、秒。繰り返しているようで一回しか来ないメッセージ。
その履歴、記憶の中で私たちは生きています。

[解説]
熱によって変色する特殊な塗料を使っている作品。時間を刻むロボットの動きが何とも愛らしく、消えてしまう数字からは、時間の儚さを感じずにはいられません。

松枝悠希「Today's happy colors!!」

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[作者コメント]
色は様々なパワーを持っています。幸せになったり、元気になったり落ち着いたり。人の感情に影響を与えてくれます。
今日のあなたは何色で、どんな気持ちを伝えますか?

[解説]
勢い良く飛び出て見える絵具達。そこからはスピードと、小気味よいエスプリを感じ取ることができます。見る人を喜ばせたいという作者の粋な心意気を感じることができる秀作です。

松本祐一「アンケート・アートの芸術論 Six melodies for Violin and Keyboard」

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[作者コメント]
この作品は、アンケート・アートというアンケートの回答を品詞分 解し、品詞の種類を音程に、品詞の長さを音符の長さに割り振ってメロディを作る、音楽作品です。芸術についてのアンケートをもとに作曲しました。

[解説]
アンケートアートさんこと松本氏は、昨年武満徹作曲賞にてグランプリを受賞。美術畑の人間が、コアな音楽賞で受賞してくれるのはとても嬉しいですね。
今日も松本氏はアンケートを集計していますので、アンケートアートにぜひご協力ください。

丸山祐介「牛角兜」「円相兜」「桜花文兜」

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[技法/材料]
銅、金箔、銀、真鍮、スワロフスキー、革紐

[作者コメント]
信念を貫くために
縁起を担ぐために
士気を鼓舞するために
敵を威嚇するために

武将たちは思いを“つたえる”ために様々な甲冑を身に纏って戦っていた

[解説]
C-DEPOT初出品の丸山氏は、会場入り口すぐの場所に展示されています。
歴史的防具である兜の様式を踏襲しつつ、「スワロフスキー」など現代的なエッセンスも絶妙にとりいれたインパクトのある作品になっています。確かな技術に裏付けされた強い存在感を解き放っています。

門田奈々「誕生花」

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[作者コメント]
花には『花言葉』があります。それは花からのメッセージの様にも感じます。
それぞれの月の花とnana(仏語で『女』の意)を描きました。
一月一月に様々なメッセージが込められています。見て下さった方に届けば・・・と思い描きました。

[解説]
アンニュイで、妖艶な女性を描く門田氏が、本展では下記のテーマで作品を制作しました。

一月  ■水仙      花言葉:自己愛、神秘
二月  ■梅       花言葉:上品、忠実、高潔
三月  ■忘れな草    花言葉:私を忘れないで
四月  ■桜       花言葉:純潔、精神美
五月  ■すずらん    花言葉:幸福の再来
六月  ■グラジオラス  花言葉:密会、尚武
七月  ■トルコキキョウ 花言葉:希望、良い語らい
八月  ■アンスリウム  花言葉:情熱、飾らない美しさ
九月  ■ダリア     花言葉:華麗、不安定、移り気 
十月  ■ガーベラ    花言葉:我慢強さ、神秘
十一月 ■菊       花言葉:誠実、真実、高潔
十二月 ■極楽鳥花    花言葉:全てを手に入れる

安岡亜蘭「okapi」

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[技法/材料]
アクリル絵具、雲肌麻紙、木製パネル

[作者コメント]
未来なのか過去なのか、自然なのか機械なのか、和なのか洋なのか、自由自在に行ったりきたり。
難しいことは考えずふわりふわりと感じていただきたい。

[解説]
古今東西を融合させた独自の世界を積み重ねてきた安岡氏の新作は、動物園の人気者「オカピ」です。最近はカラフルな画面がマイブームとのこと、とても華やかな作品となり、会場に彩りを与えています。

山本理子「目を澄まし、耳を開く。」

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[技法/材料]
切り絵

[作者コメント]
メをすまし、みみをひらく。
ツながる印をみつけるために。
セけんとちがうやりかたで、

ジぶんなりのやりかたで。

[解説]
会場で圧倒的な存在感を放っている山本氏の作品。ウサギの中に色々な物語を感じることができます。下記が、作者である山本氏が知人に宛に送った案内に添えた文章です。
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展示のテーマが決定した時から私の中でウサギが跳ね回り出した。
なぜウサギ?
とりあえずウサギを描いていたら思い当たった。「因幡の白兎だ・・・」

むかしむかし。
隠岐の島から本土に渡りたかった兎がいた。兎は海の鮫鰐をだまして本土に渡るがだまされた事に気づいた鮫鰐に皮をはがされ浜辺で苦しんでいた。

そこにヤカミヒメに求婚をしに行くオオクニヌシの兄妹神(八十神)達が通りがかり「海水を浴びて風にふかれれば治る。」と兎に教えた。その通りにした兎は傷口に塩がしみこみ、さらに苦しむことになった。

兄妹神より遅れて通りかかったオオクニヌシに正しい治療法をおしえられ傷が完治した兎は「あなたがヤカミヒメを娶るだろう」とオオクニヌシに告げた。

因幡の兎はメッセンジャーだ。真実を告げる兎は自分自身が激しい痛みを通り抜け、告げる者となっている。

私も兄妹神と同じことをしていないだろうか?
苦しんでいる兎を踏みにじり、笑って通り過ぎていないだろうか。
何かを伝えるとき、伝えられるとき、大勢に流されていないだろうか。

私は兎になる覚悟があるのだろうか?
たった一人で伝える悠希があるのだろうか。
伝える痛みに耐える覚悟はあるのだろうか。

2009年7月28日

「C-DEPOT 2009 メッセージ」ご来場ありがとうございました!

7/26に、スパイラルで開催の「C-DEPOT 2009 メッセージ」が無事終了いたしました。
会期中ご来場頂きました皆様、誠にありがとうございました!

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↑メンバー集合写真


会期終了後は、スパイラル撤収です。
皆慣れた手つきですばやく搬出を行いました。


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↑最後まで残ってくれたみんな。時刻は22:30過ぎ


C-DEPOT 2009は、まだ終わりません。
各サテライト展は、開催中ですので、引き続きよろしくお願いいたします。

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[サテライト 01]
かまわぬ×C-DEPOT コラボレーション

会期:2009年7月22日(水)〜8月8日(土) 
会場:ショウケース(スパイラル1F)

てぬぐい専門店「かまわぬ」のショップの一角にC-DEPOTアーティスト
杉山治、末宗美香子、安岡亜蘭の三名による、オリジナル手ぬぐいを限定発売中。


[サテライト 02]
C-DEPOT -monochrome-

17組のC-DEPOTアーティストによる、「monochrome / モノクローム」をテーマとしたグループ展。

会期:2009年7月22日(水)〜8月2日(日) 
会場:新生堂
時間:11:00~18:00 (最終日は 17:00まで)

出展アーティスト
青山健一 金丸悠児 久世祥三+坂本茉里子 小松宏誠 佐野絢子 白木麻子 末宗美香子 名古屋剛志 野口都 早川貴泰 真壁友 松枝悠希 vataru 深澤健作 藤田芽衣+杉山治 門田奈々 安岡亜蘭


[サテライト03]
C-DEPOT -red-

16組のC-DEPOTアーティストによる、「red / 赤」をテーマとしたグループ展。

会期:2009年7月22日(水)~8月19日(水)
※8/2(日),9(日),16(日)休廊
会場:ギャラリーショアウッド
時間:11:00~18:00

出展アーティスト
青木伸介 青山健一 金丸悠児 河村浩明 久世祥三+坂本茉里子 小松宏誠 桜井美奈子 白木麻子 末宗美香子 名古屋剛志 野口都 早川貴泰 日根野裕美 藤田芽衣+杉山治 松枝悠希 門田奈々


[サテライト04]
堤岳彦展

クリエイティブチームebc代表、堤岳彦による個展を開催します。
商品パッケージを解体し、その形状を活かした平面作品を発表。

会期:2009年7月22日(水)〜8月20日(木) 
会場:シブヤ西武 B館8階


[サテライト05]
丸山祐介展

造形作家の丸山祐介による個展を開催します。
金属による鎧シリーズ、家シリーズなどを発表。

会期:2009年7月22日(水)〜8月20日(木) 
会場:シブヤ西武 B館8階
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About 2009年7月

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