養豚場の敷地内、衛生面の管理が徹底されている。彼方に見えるのは榛名山。
今日は EXHIBITION C-DEPOT 2004より継続的に協賛していただいている、養豚場のオーケーコーポレーションを訪問する。晴天のこの日、車で群馬の赤城ICを降りたところで株式会社オーケーコーポレーションの社長を務める岡部氏と待ち合わせのアポをとっていた。共通の知人である画商さんを通じて知り合った岡部氏とお目にかかるのは初めて。異業種の方と接する機会はなかなかないので、こんな体験も興味深い。
みなさんは養豚場に対してどのようなイメージをもっているだろうか。もちろん、私が養豚場に訪れるのは初めてのこと。漠然と持っていた養豚場のイメージは、その圧倒的な広さに打ち消された。「え、こんなに広いの?」とまず思った。
農場の広さは10ヘクタール、俗にいう東京ドーム2個分である。車で敷地内を案内していただいたが、まるで一つの町を探索しているような感覚を陥るほど。標高は700mの位置にあり、農場を一望できる丘からは、はるか向こうに榛名山が見える。飼育しているハルナポークという品種名の由来だそうだ。
もう少し農場と飼育している豚について話しを伺った。
肥料や水などを巨大なタンクて貯蔵している。
ここでは、およそ15000頭もの豚を飼育している、そのうち約1700頭は親豚である。特徴的な飼育方法があるのかを訪ねたところ、「普通ですよ」との返答。ただ一般的にエサにはトウモロコシを使用するのだが、ここではタピオカを多く使用しているそうだ。豚は生まれて半年で精肉されるという、それだけの期間で100kgを越える成長の早さに驚きである。
今回は残念ながら、実物の豚を拝見することができなかった、伝染病に対して非常に気を使っており、普段から一般の見学などはお断りしているそうだ。これだけの数を飼育しているのだから納得である。ここにいる豚が回り回って私たちの食卓にきているのかと思うと不思議な感覚である。
10ヘクタールの広大な敷地。(左)、代表取締役 岡部幹夫氏(右)
美術に関して少し伺った。もともと美術との関わりはコアにあるわけではなく、たまに知人のギャラリーを見たり、展覧会に行ったりする程度だという。ひょんなことがきっかけで、C-DEPOTにご支援いただくことになった。これまでは2004年の赤レンガ、私の個展に足を運んでいただいている。また岡部氏の知人の版画専門ギャラリーをご紹介いただいたり、郵便などでのやりとりは3年以上にも及んでいる。
展覧会に対して継続的にご支援してくださる経営者と出会える機会はそうそうない。若いアーティストを支援することについて、そのお考えを尋ねたところ、「出来る範囲での協力ですよね、飲み会に数回行ったと思えば(笑)」という飾らない自然体な答えが返ってきた。「若いアーティストは別の仕事と両立しながら制作している人が多いと聞き大変だと思います。美術の展覧会も音楽のコンサートのようも気軽に足を運べるようになるといいですよね。」と当活動に対して励ましの言葉をいただくことができた。一日でもはやくそのような環境をつくれるよう、頑張らねば。
後日送られてきた豚肉。美味。
岡部氏のように寛容なパトロンのご期待に少しでも応えるべく決意も新たに、また人とのつながりの大切さを改めて感じることができた。今日は短い時間だったが有意義な一日となった。(2007.4.5)