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C-DEPOT edge 展示風景

Posted:C-DEPOT STAFF 2011年5月 7日 11:27

GWに合わせて開催されている「C-DEPOT edge」は多くの方にご覧いただいているようです。それぞれの作品のコンセプトと合わせて作品をご覧いただくと理解がさらに深まりますので、ご紹介したいと思います。


[展示風景]

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↑展示風景 1 

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↑展示風景 2 

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↑展示風景 3
 
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↑展示風景 4


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[作品紹介]


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「動物学的標本」伊奈章之

絶滅の危機に瀕している愛らしい動物を対象に、過去の動物として標本でしか観察できなくなるという動物学的推測を示唆している。大量消費社会の渦中で廃棄された衣服を拾い集め、絶滅危惧との相関関係を示すように、奇形で死の印象を持つぬいぐるみの形をした標本を作り上げた。


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「Flying Elephant -white-」「Flying Elephant -black-」 金丸悠児


私は人間と動物との距離感に関心を向け、絵を描いてきました。作品と対峙する上で、動物は想いを投影する器としてちょうど良いモチーフなのです。 本作品は「edge」というキーワードから「輪郭・縁辺」という意味合いを選び、制作されています。要素を出来るだけそぎ落とし、絵具による色彩も用いず、動物の輪郭のみを抽出し光らせています。輪郭を呼吸のようなリズムで明暗させることで、生命を表現してみました。
「象」は世界最大の陸上生物であり、神聖な動物として世界中の人々から親しまれている存在です。そんな象の群れが重力から解放されている、というシーンをつくり、見る者の無意識を呼び起こすことができればと考えています。


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「Lifelog_ヤマショウビン」他 小松宏誠

 私はここ数年「鳥」という存在に魅せられ、鳥の事を考えない日は無いといっても言い過ぎでは無い程です。

 ただ、「鳥の何処が好きなの?」と聞かれると、すぐには答えられそうにも無く、「何にそんなに心奪われるのだろう?」と自分でも不思議に思っています。鳥の存在を、自分の言葉で理解して、その魅力を誰かに伝えたい。という気持ちが、今では自分の作品を作る原動力となっています。

 C-DEPOT edgeのプランは、「鳥」と「花」という存在に共通点を感じた事から生まれました。二つを融合させ、「鳥ならこんな花になる」という存在を幾通りか作りだし、一つの世界に並べてみることで、「どこまで鳥でいられるのか?」「鳥の存在の臨界点」を探りたいという欲求に身を任せました。

 今回初めて発表した、平面のシリーズはまた別で、「鳥」という存在を探るスケッチのようなものです。


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「楽しい競争」他 桜井美奈子


小学校時代を海外で過ごした私は、幼い頃から日本の文化を意識せざるを得ない環境でした。中でも赤と白に分かれ、様々な競技で勝ち負けを決める、日本の運動会には特別な思いがあり、遠く離れた日本の文化を幼いながら感じていてました。 そして時を経て、日本人発信の作品を描こうと思う様になりました。
描く際、近隣の運動会に取材に行きます。今の日本の子どもをモチーフにしていますが、競技を行っている子どもたちと自分を投影しています。子どもならではの快活さ、不安定さや、子どもが夢中になっている姿に感動を感じつつ、心も体も大人になってしまった自分との違いを感じ、子どもに憧れを感じています。


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「Popolilin」他 末宗美香子


人をかたち作るものは細胞から成る肉体とそのパーツであり

そこに気持ちが宿って人となると思う

まず一つの抽象的な形を画面に置き
そこから人の形にしていく

一つの細胞が分裂や変化を繰り返して生命体と成って行く様に
形を繋げて色々な線や色で辿られる形から
初めて一つの生命体に見えてくる

おのおのに付けられたタイトルは彼らの名前であり
画面に描き込まれた文字は彼らのつぶやき

その生命体をポップなiconとして呼吸させていく


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「道に立つ - 246」 滝口浩史


 僕が生まれ育った静岡県の自宅近くに国道246号線が通っています。東京に移り住んでからも国道246号線が常に身近にあり、とてもなじみ深く存在しています。この作品を撮るきっかけは、皇居から始まり静岡の沼津で終わる246を知った時、自分のルーツを辿る道のように感じ、全てを歩き見てみたいと強く思ったことでした。  しかし、246を撮り続けていくうちに、私はその「道」というものが写真に写りだされた時に、何かを運ぶ運動性そのものが道のパースペクティブの中に現れてくると感じ、またそこに自分が静止しカメラを直立で構える事によって、その運動性の中に静かに佇んでいる物の存在がある事を意識するようになりました。それは特に車や人が過ぎ去った瞬間、道を取り囲む景観のなかに佇んでいる物や空間が、ふと写真の中で隆起するように感じたことです。246は都市空間を通りながらも、山や川など人里離れた空間も通っていきます。写真の中では人工物も自然物も全て等価に存在し、その「道」が持つ運動性の中で静かに佇む空間を感じていただけたら幸いです。

 自身としては、今回の作品の他にポートレートを主とする写真を発表してきました。今回の「道に立つ-246」とは、一見、対峙した作品に感じるかもしれませんが、自分にとっては、共通した視点があると思っています。なぜなら、僕が感じて撮影しているポートレートには、人間の「生」という運動の中で、その運動が周囲の空間と溶け込む瞬間や場があり、それらは決して写真の中で激しく動くものではなく、むしろ静かに立ち上がってくるように感じているからです。
今回の展示に写真集「窓ーSOU」を置いてありますので、双方の写真を見て感じていただけたらと思っております。


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「届かない日」他 鶴田学


そこは、音も空気も色も澄んでいて、静かな場所。

沈黙したままじっとしていると、どこからか、かすかな物音が時間の足踏みとして聞こえてくる。

そこにあるものは、今にも消えてどこかへ行ってしまいそうなものたち。


「記憶」や「懐かしさ」の感情にある空気感を形にしたいと思っています。
冒頭に記した「場所」にあるような静かで、ゆるやかで、切ない...空気を求めて制作しています。
展示作品は、人物や動物それぞれ個人が持っている雰囲気からイメージされる風景・場所、そこに流れる時間を形にしています。それらは、私にとってはあこがれの場所や時間なのかもしれません。


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真壁友


「時の流れ」

 ステンレス球をガラスに封じ込めた砂時計。球が落ちきるまでの時間は2分30秒。ステンレス球が落ち1分30秒後に再び回転します。

 砂時計の中では球の積み重なりによって模様が描かれます。球が規則正しく並んだ領域が見られます。その領域同士が接して模様になります。領域の端同士の繋がりによって描かれる模様、これが今回の展示のテーマ「edge」にふさわしいと考え制作しました。edgeが描き出す模様を楽しんでください。


「流れの中で」
 回転する円板の中で球が動き続け様々な模様を描き出します。この模様は地図のようでもあり星座のようにも見えます。模様と同時にステンレス球の動きによって出されるサラサラという音もお楽しみください。


「奥行きのない砂時計」
 「時の流れ」と同様に模様を楽しむための作品です。光にかざし、逆光で見ると模様がよく見えます。机の上や窓際で気軽に楽しんでください。



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「Discovery」 松枝悠希


既成概念の殻を破り
美しく、完成された、居心地のいい殻を破り
そこから新しい何かを発見し、挑戦する

壊してみることで、新しい何かを発見できます。

この作品に出会うことで、
今までとは違うライフスタイルや
今までとは違う自分を
見つけるきっかけになって欲しい


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ぜひ会場に足をお運び、実物をご覧いただけましたら幸いです。

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